自身喪失
2002年6月6日 もう自信がありません。植木屋を辞めたいですぅ。
今日の現場は、浦和の豪邸A氏邸。個人邸である。幻の名人植木職人H田さん達が作った名庭だ。オオムラサキやサツキツツジの大刈り込みだけで5つもある。その他ドウダンツツジ・オオムラサキ・サツキツツジの丸物が無数。これらを一挙に明日までに1人で仕上げねばならない。相棒の空手兄貴はウメ7本を剪定しなければいけない。ハードだ。
ヘッジトリマーはエンジン付きと電動の2つを持っていった。その他、長柄の佐々木小次郎と短い柄の武蔵の2刀。とりあえず、何も分からないのでエンジン式のヘッジトリマーで刈り込む。真夏日のもと刈り込む、ひたすら刈り込む。汗が目に入って、手が萎え、目がクラクラしても刈り込む。電動トリマーのことはすっかり忘れ、細かい所を佐々木小次郎で刈る。小次郎の調子が変だ。全く葉を刈り取れない。刃の噛み合わせが悪いのか?やる気を失い、細かい所は武蔵で刈り込む。こちらは新しいし、改造その他を施していないので調子がいい。調子がいいが、柄があまりにも短い。ヘッジトリマーの味を知った者には、刈り込みバサミによる手作業は苦痛だ。小次郎は柄の止め金のピンが1本無くなっていることに気付いたのは午後になってからだった。
午後1:30頃から、表の庭の刈り込みをほぼ終えたので、掃除にかかる。所詮私は1年坊主の掃除人夫だ。3時休みに、私の刈り込みを見て空手兄貴が苦笑している。「やり直しましょうか?」と聞くが、何も答えない。午後4時に専務がやってきて、私の刈り込みを見て「なんだこりゃ?話になんないよー」といいつつ、私の武蔵を使って手直しを始める。空手兄貴も「訓練校で刈り込み習わなかったの?線が全然分かってないジャン」とのお言葉。
今まで順調にやってきた自信が一挙に瓦解した。所詮本来は1年目。掃除や草取りの下働きをしながら見習わねば、会社の要望する勝手が分からないのだ。公共工事では早さを、個人邸では丁寧さを求められる。もちろん個人邸でも遅ければ煽られる。辛い・・・。私はこの世界ではバカなのだ!元々バカだが・・・・・・・。
バカはバカなりに一生懸命やっている。しかし、これではお金はもらえない。最近、先輩職人や専務も厳しくなってきた。もうお客さんでは無いという事だろう。できなければ、労働賃金を下げられて、それが嫌なら会社を辞めるしかない。実力主義の職人世界は厳しいのだ。耐えなければ。そして限界を突破しなければ・・・。
植木屋マイスターへの道は遥かに遠いと感じた1日だった。帰りに町の鍛冶屋に寄って小次郎を治してもらった。明日は失地回復の1日にしなければ。頼むぞ小次郎!!
今日の現場は、浦和の豪邸A氏邸。個人邸である。幻の名人植木職人H田さん達が作った名庭だ。オオムラサキやサツキツツジの大刈り込みだけで5つもある。その他ドウダンツツジ・オオムラサキ・サツキツツジの丸物が無数。これらを一挙に明日までに1人で仕上げねばならない。相棒の空手兄貴はウメ7本を剪定しなければいけない。ハードだ。
ヘッジトリマーはエンジン付きと電動の2つを持っていった。その他、長柄の佐々木小次郎と短い柄の武蔵の2刀。とりあえず、何も分からないのでエンジン式のヘッジトリマーで刈り込む。真夏日のもと刈り込む、ひたすら刈り込む。汗が目に入って、手が萎え、目がクラクラしても刈り込む。電動トリマーのことはすっかり忘れ、細かい所を佐々木小次郎で刈る。小次郎の調子が変だ。全く葉を刈り取れない。刃の噛み合わせが悪いのか?やる気を失い、細かい所は武蔵で刈り込む。こちらは新しいし、改造その他を施していないので調子がいい。調子がいいが、柄があまりにも短い。ヘッジトリマーの味を知った者には、刈り込みバサミによる手作業は苦痛だ。小次郎は柄の止め金のピンが1本無くなっていることに気付いたのは午後になってからだった。
午後1:30頃から、表の庭の刈り込みをほぼ終えたので、掃除にかかる。所詮私は1年坊主の掃除人夫だ。3時休みに、私の刈り込みを見て空手兄貴が苦笑している。「やり直しましょうか?」と聞くが、何も答えない。午後4時に専務がやってきて、私の刈り込みを見て「なんだこりゃ?話になんないよー」といいつつ、私の武蔵を使って手直しを始める。空手兄貴も「訓練校で刈り込み習わなかったの?線が全然分かってないジャン」とのお言葉。
今まで順調にやってきた自信が一挙に瓦解した。所詮本来は1年目。掃除や草取りの下働きをしながら見習わねば、会社の要望する勝手が分からないのだ。公共工事では早さを、個人邸では丁寧さを求められる。もちろん個人邸でも遅ければ煽られる。辛い・・・。私はこの世界ではバカなのだ!元々バカだが・・・・・・・。
バカはバカなりに一生懸命やっている。しかし、これではお金はもらえない。最近、先輩職人や専務も厳しくなってきた。もうお客さんでは無いという事だろう。できなければ、労働賃金を下げられて、それが嫌なら会社を辞めるしかない。実力主義の職人世界は厳しいのだ。耐えなければ。そして限界を突破しなければ・・・。
植木屋マイスターへの道は遥かに遠いと感じた1日だった。帰りに町の鍛冶屋に寄って小次郎を治してもらった。明日は失地回復の1日にしなければ。頼むぞ小次郎!!
コメント