GW明け初仕事は雨。霞ヶ関カンツリークラブへ3人で赴く。メンバーはいつもの矢名の頭と空手兄貴と私だ。仕事はマツのミドリ摘み。15尺の脚立でも届かないほどのクロマツを手入れしなければならない。少し憂鬱だ。雨で幹乗りは滑るからだ。専務も同行し「雨で滑るから、くれぐれも気をつけてね」と念を押していった。
 膨大な数のクロマツの中から、入り口付近とクラブハウスへ続くメインストリートの10数本を片付けた。とにかく先輩職人の手は早い。私が1本仕上げる間に2本は終らせてしまう。きりのいいところで、私は下に降りて片付けをする。新人として当然の作法だ。普通は木に登らせてもくれないが、我が社は別だ。使えるものは猫でも使えがモットーなのだ。
 掃除をしながら、二人の先輩の手を盗み見る。「適当でいいよ、適当で」という割には、美しく仕上がっている。「前々からの、もみ上げがひどいから、形が滅茶苦茶だ」と、下請け会社の辞めた職人の手を非難しながら、どんどんミドリ摘みを終らせてゆく様は圧巻だ。これがプロの世界かと、あらためて感心した。
 専門校の頃から感じていたが、雨の後などのマツは、松茸の匂いがする。とてもいい香りだ。身体にもいい気がする。木と戯れる仕事はこれだから堪らない。晴れていれば最高の気分なのに・・・。
 とりあえず5時近くまで、徹底的にミドリ摘みをやった。「雨だから早めに上がろうな」と矢名の頭のお言葉。矢名の頭はいつも「暑いから今日は早めに上がろうな」とか「休み前だから早めに・・・」が口癖だ。早めに上がるのは、労働者にとってはありがたい。
 霞ヶ関カンツリークラブを後にして、会社に戻ったのは6時過ぎだった。後片付けをして帰路に着いたのが6時半。カメラのさくらやに寄って、出来あがったフィルムや写真を受け取り、結局家に着いたのは8時近くになってしまった。後は風呂に入って、酒を飲んで、寝るだけだが、いよいよ1級造園施行管理士の試験の申込書が来た。勉強しなければ・・・・・・。でも、もう寝ます。
 明日はレアル・マドリード対日本代表戦が午前4時からあるのだ。相手は2軍を出してくるらしい。世界のスーパースター軍団が、日本代表ごときを、本気で相手にするするものか!
 それじゃ、明日またね(アスタ・マニアーナ)。

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