江戸前

2002年4月11日
 川口安行の植木職人は江戸前だ。寛永年間の吉田権之丞の時代から、江戸に植木と職人を供給し続けているのだから当然だ。安行の植木職人は、喋りがうまくて面白い。適当に法螺を交えてサービス満点の話を聞かせてくれる。まるっきり落語だ。
 しかし、仕事が始まると、突然無口になり、一挙に仕事を終わらせる。江戸前職人は皆、気が短い。
 カラッとした性格でおっちょこちょいで、口は悪いが、本心はセンチメンタルでナイーブだ。私の持って生まれた性格と似ている・・・。
 今日は、青木町の公園を一挙に2/3まで終わらせた。スダジイ8本とサワラ8本の高木剪定だ。明日の段取りを終えた矢名似の頭が2時ごろやって来たので、はかがいった。あと2日工期はあるが、実質2人工なら、あと1日の工程だ。明日は、予定を変えて、矢名の頭と空手兄貴と私の3人は、矢名の頭が段どった高井戸の植栽工事へいく事になった。青木町の公園は工期が余ったので1日お休みだ。
 明日は明日でまた書くが、ちょっとした量の植木を、会社の前にあるS農園で揃えてもらった。
「名人庭師のとっておきの知恵袋」という本に、「安行は植木のメッカだが、最近は時代の流れで、店を畳む所が増えている」と書いてあったが、どっこいS農園は、プロの業者が植木を買い付けにひっきりなしにやって来る。大繁盛だ。
 我々もS農園で、図面に示された植木を揃え、ユニックに載せ、明日の準備完了。明日は都内なので1時間早出だ。7時に会社出発の用意をするようにとのこと。打合せが終わる頃、近くのお寺で、18時を知らせる鐘が、ゴーーン、ゴーーンと鳴っていた。

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